国立新美術館で唯一写真撮影を許可された「エミーリエ・フレーゲの肖像」というクリムトの作品です。

生涯独身だったクリムトですが妻とも友人ともつかない不思議な関係の女性がいました。それがここに描かれているエミーリエ・フレーゲという女性です。二人の関係はプラトニックなものだといわれています。彼女はクリムトを精神的に支え、よきパートナーであり続けました。彼女はクリムトの弟と結婚した相手、ヘレーネ・フレーゲの妹です。つまりお互いのきょうだいを通して知り合ったのです。

エミーリエと過ごす時間はクリムトにとって心地よかったようで、心からくつろげたと言われています。また仕事面に

おいても彼女はクリムトの力になり人脈作りや画家としての自我を目覚めさせてくれる役割を果たしてくれることになったそうです。

 ただこの有名な作品も当時エミーリエは気に入りませんでした。自分の趣味とはちがうドレスのデザイン。自意識過剰な性格を思わせる、すまし顔で左手をどうどうと腰にあてがうポーズ。すべてがお気に召さなかったようで、本作は1908年にウイーンの美術館に売却されてしまったということです。