内分泌疾患について

内分泌疾患とは?

 ホルモンの異常によって病気が起きます。それをまとめて内分泌疾患と呼びます。ホルモンは内分泌腺でつくられたり出たりするのでこの呼び方が使われていています。内分泌腺には甲状腺、下垂体、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣などがあります。

 

 この病気はホルモンの量がおかしくなることが原因ですが、ホルモンの働きが異常になる場合もあります。ホルモンの量は多すぎても少なすぎても問題で、ちょうどいい量でなければなりません。ホルモンの量が多いと機能亢進、ホルモン過剰となり、量が減ると、機能低下、ホルモン欠乏となり、身体のあちこちに異常をきたします。

 

 犬と猫の内分泌疾患には主なものとしては、糖尿病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、上皮小体機能亢進症(高カルシウム血症)、尿崩症、先端巨大症、などがあります。

 


糖尿病

(犬の場合)

 大なり小なりインスリンの欠乏によります。主に膵臓からのインスリンの分泌が悪くなることが原因です。これは犬の場合、膵臓のβ細胞が自分の免疫反応によって破壊されることにより起こる、いわゆる1型糖尿病と呼ばれるものが多いとされています。原因はその他にも慢性膵炎、インスリン抵抗性、低血糖、膵外分泌不全などいろいろあります。

 

 避妊していない肥満している雌犬に多く、年齢は5歳以上、とくに8歳から12歳で発症するケースが多いと言われています。

 

 症状としては主に、多飲多尿、多食、嗜眠、体重減少などがあります。他に被毛が薄くなったり白内障になったりします。また細菌性膀胱炎も多くみられます。

  血液検査では高血糖、高コレステロール血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、低リン血症などが認められます。

 

 治療は糖尿病の症状(多飲、多尿、体重減少、嗜眠など)をコントロールし、インスリン誘発性の低血糖を避けることが目標になります。

 インスリン注射がメインの治療になります。それに加えて初期には輸液療法でコントロールしていきます。またインスリン抵抗性をもっている雌犬は避妊手術をすることで治ることがあります。

 食餌療法は糖分と脂肪分が制限された糖尿病専用の治療食を与えることになります。

 適度の運動も大事で散歩やドッグランに行くことなども好ましいことです。

 

猫の場合)

 疾病率はあるデータによれば80~100頭に1頭の割合です。猫の場合は人の2型糖尿病と似ているいわゆる2型糖尿病が多いとされています。

 これは肥満、膵臓ランゲルハンス島のアミロイド沈着、中年期以降の発病、遺伝的素因などが特徴としてあげられます。

 また、2型糖尿病は糖の刺激による膵臓β細胞の感受性が低く、血糖値が高くなってもインスリンの分泌が遅かったり量が少なかったりするのが特徴です。

 

 95%が5歳以上で発病し8歳~13歳までが多く去勢された雄猫が多い傾向があります。肥満猫は正常猫に比べて3.9倍の糖尿病のリスクがあるという報告もあります。

 

 症状としては多尿、体重減少、嗜眠、グルーミングしなくなる、多飲、多食、後足が弱くなり足の裏をつけて歩く、運動しなくなる、などがあります。

 血液検査では高血糖、高脂血症、代謝性アシドーシス、電解質枯渇などがあります。血糖値はストレスで上昇することもあるのでフルクトサミン糖化アルブミンといった項目もあわせて検査するほうが好ましいと思われます。

 その他の身体の異常としては、免疫力低下、肝腫大、筋力低下、蛋白尿、尿路感染、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎炎、乾燥した光沢のない被毛など。

 

 治療は犬と同様、症状をコントロールし低血糖を防ぐことが目的となります。また糖尿病の猫はインスリン投与なしでの寛解(症状が治まっている状態のこと)が最終目標ですが全体の50~70%ほどしか達成できないといわれています。また寛解は生涯にわたってではありません。

 インスリン投与 一般的に LentePZI(Protamine Zinc)、Glargine(Lantus)などが使用されます。

 その他の薬剤としてはGlimeperide、Acarbose などがあります。

 輸液療法は入院して行います。

 低炭水化物、高たんぱく食の缶詰の治療食が糖尿病の寛解に望ましいと言われています。


甲状腺機能亢進症と低下症

甲状腺機能亢進症は猫が殆どで甲状腺機能低下症は犬が殆どです。

(甲状腺機能亢進症)

猫に多く犬にはきわめてまれな病気です。猫の10歳以上で約10%ほどがなっており平均12-3歳が多いと考えられています。猫の場合は、甲状腺の過形成や甲状腺腫が原因となっており甲状腺がんは2-4%と低い割合となっています。犬の場合は逆に甲状腺がんによるものが多いとされています。どちらも甲状腺からホルモンが異常に多く出ることが原因の病気です。

  (症状)としては体重減少、多食、落ち着きのない不安そうな行動、多飲多尿、皮膚の変化(光沢のないボサボサした被毛や脱毛など)、下痢や嘔吐などです。臨床学的には甲状腺の腫大(両側性)、筋肉減少、心雑音、頻脈、高血圧などがあります。

 

 (診断) 頚部の甲状腺の触診をさまざまな角度から行う。

 血液学的には赤血球増加が認められることがあり、逆に貧血の場合は他の病気が疑われます。

肝臓の酵素(ALT、ALKP)の上昇は代表的な血液の異常です。

 腎臓病がある場合はCREやBUNの値がやや高いのですが、病気がない場合は逆にCREの値は低く出ます。これは筋肉量減少の結果もありますが主に甲状腺機能亢進症の猫ではGFR(糸球体ろ過率)が高まっているためです。このことは甲状腺機能亢進症をもつ猫の腎臓病を診断するのを困難にしている原因になっています。

 中等度の蛋白尿は一般的にみられ、これは腎臓機能の異常が原因しています。蛋白尿はUPCで測定しますが健康体では 0.2以下のところ、この病気の場合は0.2-0.4のボーダーラインもしくは0.4以上になることがあります。

 甲状腺ホルモン(T3、T4)濃度の増加はこの病気の特徴となっています。ただT3は30%以上で正常値を示すことがあるので単独の測定は避けるべきです。T4には蛋白結合したものとしてないものがあり両方あわせたT4で測定する場合も有効です。また蛋白結合していないほうのFT4を測定することでより感度よく診断することができます。ただしFT4は擬陽性が出る場合があるので測定にはT4と合わせて行う必要があります。T4が低くてFT4だけが高い場合は甲状腺機能亢進症以外の原因が考えられます。

 甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度は95%ほどの甲状腺機能亢進症の猫では低くなります。この検査は単独で行うものではなくT4と合わせて行うべきものです。

 犬の甲状腺機能亢進症では甲状腺腫と甲状腺がんの鑑別が必要なため病理検査が必須となります。

 

 (治療) 大きく3つに分けられます。内科療法(内用薬)と外科手術と放射線療法です。

 内用薬は現在日本で使えるのはチアマゾールという薬です。投与後30日にT4と腎機能を検査して異常がないかどうか確認します。もし異常がなければ後に外科手術や放射線療法を選択できます。当院では内科治療まで行っております。

 

 (予後) 治療法やそれぞれの動物の個体差にもよりますが、腎臓病をもっている猫では予後はよくありません。甲状腺機能亢進症の猫の死亡原因の最も一般的なものは腎不全だといわれています。またどの治療法でも再発することはあります。内科療法で飼主が薬をやめたりした場合が多いのですが、外科手術や放射線療法でも甲状腺組織が再生することが原因で起こることがあります。

 犬の甲状腺機能亢進症の甲状腺がんの場合の予後は一般的に悪いと言われています。内科療法ではT4濃度を下げることはできても腫瘍を抑えることはできません。

放射線療法や外科手術もしくは療法の治療で再発を防ぎますが補助的な化学療法の有効性は疑問だと言われています。

 

(甲状腺機能低下症)

 殆どが犬で発症するため犬に絞って解説します。この病気は甲状腺ホルモンつまりT4とT3が減少する病気です。90%以上が原発性つまり甲状腺が免疫反応により傷害を受けたことによります。具体的には甲状腺炎、特発性萎縮、腫瘍などが元の原因になります。2次的な原因としてはTSH分泌障害、下垂体腫瘍などがありますが一般的ではありません。3次的なTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)障害は犬での報告はまだありません。先天性のケースは犬と猫で報告されています。

 平均発症年齢は7歳で若い年齢の時に自己免疫病から発病すると言われています。

また避妊や虚勢された犬に比較的多いとされています。

 

(症状) 嗜眠、鈍麻、運動不耐性、脱毛(尾や頚部で見られることが多い)、膿皮症、徐脈、肥満など。

 

(診断) T4とFT4を測定するのが基本となります。TSHは甲状腺ホルモン低下のフィードバックのため65-75%の割合で上昇します。T4、FT4とあわせてTSHを測定すれば非常に精度の高い検査となります。

 TSH反応試験も行われます。TSHを投与したあとにT4を測定します。

T4がある一定濃度に上昇すれば正常ですが、低い値のままであれば甲状腺機能低下症だと考えられます。

 病理学的には、甲状腺実質にリンパ球、プラズマ細胞、マクロファージの浸潤が見られます。残っている小胞は空胞の生じた膠質をもち小さくなっています。病気が進行するにつれ、これらの組織はせんい性結合織に置き換わっていきます。特発性ろ胞萎縮は甲状腺実質の損失をまねき、脂肪や結合織に置き換わっていきます。

 

 (注意事項) 一日のうちで正常な犬の50%がT4が低くなる時間帯があるという報告 があります。薬剤としてはグルココルチコイド、フェノバルビタール、スルホンアミド、クロミプラミン、アスピリンなどの解熱鎮痛薬などはT4値に影響するといわれています。非甲状腺疾患や甲状腺機能正常病態症候群と呼ばれる疾患ではT4やT3が低くなりTSHは8-10%の割合で高くなる場合があります。

 

(治療) レボチロキシンの内用投与が主になります。スタートは20μg/kg1日1回からはじめます。一般的に大型犬でも最初は1頭あたり800μgを超えて毎日投与するべきではありません。心臓病、糖尿病、アジソン症などがある場合は基準量の25%から開始します。効果は投与開始後1-2週間して出てくることが多いと言われています。

 治療の最も一般的に考えられる有害事象は甲状腺機能亢進症です。しかし、犬ではあまりありません。その場合も投薬を2-3日休んでまた再開するなどして対処します。

 

(予後) 治療後1週間で精神的肉体的な活動の改善が見られます。他の症状、特に皮膚関連の症状は数ヶ月かかることもあります。


クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

この病気は副腎皮質からホルモンが異常に多く出ることにより起きます。

殆どが犬で発症猫ではまれです。原発性と医原性(薬の副作用によるものなど)があります。どちらも全身にグルココルチコイドという副腎皮質ホルモンが高濃度にまわって症状が出てきます。

 (犬)

 80-85%の場合、下垂体副腎皮質刺激ホルモン細胞腫瘍または過形成によるACTHの過剰な分泌によります。残りの15-20%はコルチゾール分泌副腎皮質腫瘍で良性と悪性が半々です。中年期から老齢期にかけて発病することが多くみられます。また過度のグルココルチコイド投与ににより医原性クッシング症候群も起こる場合があります。

 

 症状 多飲多尿、多食、腹の膨らみ、下垂、パンティング(呼吸が荒くな

る)、肝臓の腫大、毛が薄くなる、皮膚の色素沈着、皮膚が薄くなる、

筋力低下萎縮、肥満、嗜眠などです。

 

 診断 血液検査では好中球、赤血球、血小板の増加、好酸球、リンパ球の

減少が見られます。また血中コレステロール、ALKP、ALTなどが上昇します。

高脂血症はよく見られますがそのうち10%が糖尿病を併発しています。

尿については尿比重低下、蛋白尿、血尿、細菌尿などがみられます。

 ACTH刺激試験:下垂体依存性クッシング症候群の87%、副腎腫瘍の61%を

診断することができます。下垂体依存性と副腎腫瘍の区別をすることはできま

せんが医原性クッシング症候群の診断をすることができます。

 腹部X線検査では副腎腫瘍は石灰化により40-50%がわかるといわれています。

胸部X線検査では副腎腫瘍が悪性の場合の肺への転移を確認することができます。

また超音波エコー検査、CT、MRI検査では副腎腫瘍か下垂体依存性の区別および

副腎腫瘍のステージみることができます。下垂体巨大腺腫の確認にはCT、MRI

は有用です。

 

 治療 目的は臨床症状を改善し、致死的になる可能性のある併発疾患(糖尿病、

膵炎、腎不全、血栓塞栓症など)を予防することでQOLを良好にして生存期間を

延長させることです。

 外科治療、放射線療法、内科療法があります。外科療法については下垂体切除

や両側副腎切除などはあまりされません。副腎皮質の腫瘍やガンについては動物

の状態が手術に耐えられる場合には、切除可能なものに限って実施されます。

下垂体巨大腺腫には放射線療法が実施される場合があります。

 

内科療法で使用される薬剤には主に以下のものがあります。

 

トリロスタン:プロゲステロンとその最終産物(コルチゾールやアルドステロン)

の生産を抑制します。

 初期用量は2.2-6.7mg/kgを一日一回もしくは分割して2回経口投与します。もし

食欲不振、嘔吐、下痢などが現れたらすぐ中止します。そして3-5日休薬した後、

1週間は2日に一回投与して様子をみます。ACTH刺激試験を治療開始10-14日、30日、

90日後にそれぞれその日の投薬後4-6時間後に行います。ACTH刺激試験の結果に

よって投薬量を増減したり投与中止したりして調整します。その後落ち着いたら

3-6ヶ月おきにACTH刺激試験を実施しコルチゾール測定や血中カリウムの値を

チェックして高カリウム血症になっていないか確認します。

 トリロスタンはアルドステロンを抑制し、アジソン病(副腎皮質機能低下症)

を起こす危険性があります。投与による副腎皮質の壊死は一般的に思われているより

多いといわれています。血中コルチゾール低下症は普通48-72時間の投薬中止で回復

しますが、数週間から数ヶ月に及ぶ場合や永久になることもあります。

 AT(副腎腫瘍)でも使用でき症状をコントロールしますがあくまで一過性であり

腫瘍細胞をやっつけるにはミトタンという薬剤が選択されるべきです。

 

ミトタン トリロスタンが使用される前の内科療法はこの内科療法が主流でした。

この薬剤は副腎皮質のグルココルチコイド産生細胞を選択的に破壊し、コルチゾール

の分泌をブロックすると同時にATの腫瘍細胞を破壊することができます。

 

ケトコナゾール コルチゾール生成の酵素反応を抑制します。ミトタン療法が難しい犬に

適用することがあるようです。ATによるクッシング症候群の症状を軽減するために行います。

ただ有効性は50%もしくはそれ以下だといわれています。

 

L-デプレニル(L-Deprenyl)   視床下部ー脳下垂体系のドーパミン作用を増強することに

よりACTHの分泌を抑制します。下垂体依存性のクッシング症候群には使用できますが、

糖尿病を併発している犬やATには使用できません。効果のほどは疑問があり20%有効

だったという報告やないという報告もあります。

 

(猫)

 猫で80-85%が下垂体依存性です。残り15-20%が機能性副腎腫瘍です

併発しているものにインスリン抵抗性糖尿病や皮膚病などがあります。

90%以上のクッシング症候群の猫は糖尿病を発症すると言われています。

猫の場合のクッシングは非常にまれであり30年間に100例の報告が

あるに過ぎません。

  診断は血中コレステロール、ALT、UCCR(尿コルチゾールクレアチニン比試験)、

ACTH刺激試験などで行います。また犬の場合と同じようにX線検査、エコー検査、

CT、MRI検査も有効です。

 治療はトリロスタンによる内科療法が主になり、場合により放射線療法を行う

場合があります。ミトタンや外科療法は一般的にすすめられません。

 

 

アジソン症(副腎皮質機能低下症)

副腎皮質からのミネラルコルチコイドまたはグルココルチコイド、あるいは両方の分泌欠乏により起こる病気です。

原発性アジソン症は副腎皮質の破壊により両方の分泌障害が起こります。続発性アジソン症はACTHの欠乏により生じ、これにより副腎皮質の萎縮やグルココルチコイドの分泌障害が起こります。犬でまれに発症し猫ではきわめてまれな病気だといわれて

います。

 ミネラルコルチコイド(主にアルドステロン)分泌障害はカリ

ウム排泄能を低下させナトリウム排泄能を促進するためカリウム

とナトリウムのバランスを乱します。ナトリウム欠乏は循環体液量

不足させ、腎前性高窒素血症、低血圧、脱水、衰弱、沈うつなど

を引き起こします。高カリウム血症は衰弱、嗜眠、食欲不振などや

徐脈、その他の不整脈を起こします。

 グルココルチコイド分泌障害は食欲不振、嘔吐、下痢、下血、嗜眠、

体重減少などを起こします。また低血糖になりやすくなります。

 

 症状 犬)沈うつ、衰弱、脱水、虚脱、低体温、徐脈、下血、

       腹部痛、脱毛、嗜眠、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少、

       多飲多尿など

    (猫)脱水、衰弱、低体温、徐脈、沈うつ、虚脱、嗜眠、

       食欲不振、体重減少、嘔吐、多飲多尿など

 

 診断  貧血、好酸球増加、リンパ球増加、高カリウム血症、

高窒素血症、低ナトリウム血症、低クロール血症、高リン血症、

高カルシウム血症、ALT上昇、ALKP上昇、低血糖など

 ACTH刺激試験も有効な検査です。また血漿ACTH濃度を測定する

と原発性か続発性の区別をすることができます。

 X線検査で小さな心臓、下行大静脈や下行大動脈の狭窄、肺野の

循環血液量低下など。腹部エコーで小さい副腎の確認など。

 

 治療  急性アジソン症の場合:体液量の不足を補うために等張液

(生理食塩水など)の輸液をします。水和状態、血圧、尿量、体温、

心拍数を注意深くモニタリングします。

(内科療法) グルココルチコイドの生涯にわたっての投与になります。

海外ではミネラルコルチコイドを補充する注射薬(DOCP)や内用薬

(酢酸フルドロコルチゾン)があります。

 急性アジソン症の場合はデキサメサゾン燐酸塩やプレドニゾロン

コハク酸塩などの即効性のあるグルココルチコイドを非経口的に投与

します。症状が軽減したら投与量を漸減していきます。脱水している

場合は生理食塩水を輸液します。低血糖があればデキストロースを

静脈投与します。

 高カリウム血症による心筋毒性がある場合は塩化カルシウムや

グルコン酸カルシウムを静脈投与します。

 続発性アジソン症の場合はグルココルチコイドの投与のみが治療法

になります。

上皮小体機能亢進症

上皮小体からパラソルモン(PTH)が過剰に分泌されるもので上皮小体の腺腫や過形成や腺ガンが原因となっています。中年以降の犬、および猫に発生することがあります。

症状 嗜眠、衰弱、多飲多尿、血尿、痛みを伴う排尿困難、再発性尿石症、食欲不振、嘔吐、便秘、筋力低下、

頚部結節など。

 

診断 PTH濃度が高い、イオン化カルシウム濃度が高い、

エコー検査 、PTH-rp(副甲状腺関連ペプチド)低い。

 

治療 高カルシウム血症の緊急時:生食輸液、フロセミド、

ビスホスホネートなどの投与。

 

尿崩症

 多飲多尿と尿比重が減少することを特徴とします。

中枢性の抗利尿ホルモン(ADH)の分泌障害や腎原発性のADH

感受性障害が原因となります。

具体的には先天性、薬剤、クッシング症候群、子宮蓄膿症、

低カリウム血症、高カルシウム血症、腎臓病などが原因となりま

す。

 

診断 水制限試験  ADH反応試験  血漿ADH測定 尿比重の測定

 

治療法 中枢性尿崩症の場合 DDAVP(抗利尿ホルモン類似物質)の投与

     腎性尿崩症の場合         サイアザイド系利尿剤の投与